
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第20章 第四話 【牡丹の花咲く頃には】 花びら占い
手つかずの器を残したまま、納屋を出ていったのである。外側から閂をかける音が聞こえ、また足音が遠くなっていった。どうやら、見張りすら置いてはいないらしい。よほどキョンシル一人では何もできはしないと侮られているに違いなかった。
脚を縛められているため、芋虫が這うように床をずり這いしながら動くしかない。キョンシルは自分でも歯痒くなるほどの遅さで、やっと身を起こし、壁にもたれて座ることができた。
思わず深い溜息が洩れる。
このままここにいては、明日の夜にはミンチュの寝所に連れてゆかれてしまう。
―一体、どうすれば良いの?
脚を縛められているため、芋虫が這うように床をずり這いしながら動くしかない。キョンシルは自分でも歯痒くなるほどの遅さで、やっと身を起こし、壁にもたれて座ることができた。
思わず深い溜息が洩れる。
このままここにいては、明日の夜にはミンチュの寝所に連れてゆかれてしまう。
―一体、どうすれば良いの?
