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―女が、ほれ、あそこに白装束の女がおる。
　誰もいない方を指しては怯え、しまいには頭を抱えて泣き出す始末。ミンチュにしてみれば、慰み者にして殺すつもりだった娘が痕跡も残さず不明となったことがよほど衝撃だったようだ。元々、悪党になりきるには小心すぎる男だったのだろう。
　キョンシルが崔氏の息女として正式に世間に公表されたときには、ミンチュは既に正気を失っていた。