
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第20章 第四話 【牡丹の花咲く頃には】 花びら占い
「全く無欲なことだ。実の異母弟でさえ、この家の財産や地位を狙うておったというに、君はキョンシルを妻にしたいとは願っても、そのついでに崔氏の婿になろうとは思わんのかね」
トスは真顔で首を振った。
「失礼ながら、そのようなことは考えたこともありません」
そこで少し言い淀み、言葉を継いだ。
「誤解があっては困るのですが、私は元々、両班というものが好きではないのです。もちろん、大監さまのように心から国王(チユサン)殿下(チヨナー)を思い、国や民のための政治をなさろうとする清廉潔白な忠臣もおられます。しかし、残念なことに、大半の両班たちは自分たちが享楽に耽ることばかりしか頭になく、貧しい民の暮らしを慮るどころか、彼等から搾取することしか考えていません。
トスは真顔で首を振った。
「失礼ながら、そのようなことは考えたこともありません」
そこで少し言い淀み、言葉を継いだ。
「誤解があっては困るのですが、私は元々、両班というものが好きではないのです。もちろん、大監さまのように心から国王(チユサン)殿下(チヨナー)を思い、国や民のための政治をなさろうとする清廉潔白な忠臣もおられます。しかし、残念なことに、大半の両班たちは自分たちが享楽に耽ることばかりしか頭になく、貧しい民の暮らしを慮るどころか、彼等から搾取することしか考えていません。
