
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第20章 第四話 【牡丹の花咲く頃には】 花びら占い
イルチェの声がやや厳しさを帯びた。
「それでは、仮に儂が条件を出したとしたら、君はどうする? 儂の跡を継いで次期当主にならねば、キョンシルとの婚姻は認めないと言ったら?」
今度はかなりの間があった。
トスは正座した膝の上に置いた両拳をきつく握りしめている。よほど力を込めているのか、指先が白くなっていた。
イルチェもキョンシルもトスの次の言葉を待つように、固唾を呑んだ。
ややあって、トスは静かに言った。
「もしイルチェさまがどうしてもキョンシルを下さらないというのなら―」
トスはここで言葉を切り、キョンシルを見つめた。キョンシルは縋るような視線をトスに向けたが、緊張に耐えられずうつむいた。
「それでは、仮に儂が条件を出したとしたら、君はどうする? 儂の跡を継いで次期当主にならねば、キョンシルとの婚姻は認めないと言ったら?」
今度はかなりの間があった。
トスは正座した膝の上に置いた両拳をきつく握りしめている。よほど力を込めているのか、指先が白くなっていた。
イルチェもキョンシルもトスの次の言葉を待つように、固唾を呑んだ。
ややあって、トスは静かに言った。
「もしイルチェさまがどうしてもキョンシルを下さらないというのなら―」
トスはここで言葉を切り、キョンシルを見つめた。キョンシルは縋るような視線をトスに向けたが、緊張に耐えられずうつむいた。
