側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第4章 偽りの別れ
トスにしてみれば、義理の娘がいっかな泣き止まないので、仕方なしにやったことなのだ。つまり、赤児か聞きわけのない幼子をあやすのと同じ理屈といえよう。
いつも思うことだが、トスの一挙手一頭足で狼狽えたり歓んだりする我が身が情けない。トスの方はキョンシルを〝ソンニョの娘〟としか見ていないのは判っているのだから。
しかし、そのことでトスを恨めしく思うのは、とんだ筋違いというものだろう。トスはまだ若い。幾ら結婚目前だったとはいえ、ミヨンとはまだ正式に結婚したわけではなかった。何もミヨンが亡くなったからといって、その遺児を引き取る義務も責任もないのだ。
なのに、トスはキョンシルを養女として守る―とまで言ってくれている。これ以上のことを彼に望むのは間違っている。
いつも思うことだが、トスの一挙手一頭足で狼狽えたり歓んだりする我が身が情けない。トスの方はキョンシルを〝ソンニョの娘〟としか見ていないのは判っているのだから。
しかし、そのことでトスを恨めしく思うのは、とんだ筋違いというものだろう。トスはまだ若い。幾ら結婚目前だったとはいえ、ミヨンとはまだ正式に結婚したわけではなかった。何もミヨンが亡くなったからといって、その遺児を引き取る義務も責任もないのだ。
なのに、トスはキョンシルを養女として守る―とまで言ってくれている。これ以上のことを彼に望むのは間違っている。