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側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】

第4章 偽りの別れ

「ごめんなさい、トスおじさん」
 いきなり素直に謝罪され、トスは面食らったようだ。
「大人をからかったりして。お母さんがいたら、物凄く怒られちゃうわよね」
 トスの頬が緩み、いつものように髪をくしゃっと撫でられた。
「良いんだ。俺も少し大人げなさすぎた」
「ところで、たった今、俺に訊いてきたことは何だったんだ?」
「ああ、故郷の話ね。トスおじさんがさっき言ったじゃない? おじさんは都生まれではないって」
「ああ、あの話か」
 トスは何故か気乗りしなさそうな様子である。キョンシルはまた背伸びしてトスの貌を覗き込んだ。

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