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側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】

第4章 偽りの別れ

「ね、これからどこに行くの?」
「別に気の向くままさ。決めちゃいない」
「前から思っていたんだけど、おじさんって、見かけだけでなく中身もかなり良い加減なのねえ」
「何だと? そなた、また喧嘩を仕掛けてるのか」
 眉をつり上げるトスに、キョンシルは真顔で首を振った。
「そんなんじゃないわよ。特にどこに行くつもりもないのなら、おじさんの生まれ故郷に行くっていうのはどうかと思って」
「俺の生まれ故郷?」
 トスの声がいきなり大きくなった。
「私、俄然、興味が出てきたの。トスおじさんって、どこか正体不明、神出鬼没みたいな怪しい雰囲気があるでしょう? だから、おじさんの生い立ちとか生まれたところって凄く興味があるんだ」

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