
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第4章 偽りの別れ
トスは溜息をついた。
「キョンシル、今日のところはここまでにしておこう」
え、と、キョンシルは驚愕も露わにトスを見た。
「ここまでって、それはどういうこと?」
「ここに泊まるんだよ」
トスは当然のように言った。
「でもまだお昼前よ? 今から歩けば、かなり遠くまで行けるわ」
「ほら」
トスが左前方を真っすぐに指し示した。
緑の海の中にポツンと小さな小屋が建っている。家というよりは掘っ立て小屋と呼ぶ方がふさわしい簡素な小屋である。
「どうも空き家のようだ。今夜はあそこで厄介になるとしよう」
トスは一人で勝手に決め、さっさと小屋の方に向かって歩き出す。
「キョンシル、今日のところはここまでにしておこう」
え、と、キョンシルは驚愕も露わにトスを見た。
「ここまでって、それはどういうこと?」
「ここに泊まるんだよ」
トスは当然のように言った。
「でもまだお昼前よ? 今から歩けば、かなり遠くまで行けるわ」
「ほら」
トスが左前方を真っすぐに指し示した。
緑の海の中にポツンと小さな小屋が建っている。家というよりは掘っ立て小屋と呼ぶ方がふさわしい簡素な小屋である。
「どうも空き家のようだ。今夜はあそこで厄介になるとしよう」
トスは一人で勝手に決め、さっさと小屋の方に向かって歩き出す。
