
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第4章 偽りの別れ
「ちょっと待ってよ。トスおじさん。何でこんなお天道さまが真上にある昼日中から宿に腰を落ち着けるのよう」
キョンシルは慌てて叫びながらトスの後を追った。
小屋の内は存外に整備されていた。やはり人の住み家というよりは、農作業に来た畑の主が休憩に使用する用途として建てたらしい。床などは一切なく、下は土間で、鋤や鍬などの農耕具が壁に並べて立てかけてあり、その隣には雨天のときのためだろう、蓑や笠がきちんと釘につるされていた。
最近も使ったらしく、土間には明らかに火をたいた痕跡が残っている。
「良いの? 勝手に他人の家に上がり込んだりして」
キョンシルは戸惑い気味に周囲を見回した。
キョンシルは慌てて叫びながらトスの後を追った。
小屋の内は存外に整備されていた。やはり人の住み家というよりは、農作業に来た畑の主が休憩に使用する用途として建てたらしい。床などは一切なく、下は土間で、鋤や鍬などの農耕具が壁に並べて立てかけてあり、その隣には雨天のときのためだろう、蓑や笠がきちんと釘につるされていた。
最近も使ったらしく、土間には明らかに火をたいた痕跡が残っている。
「良いの? 勝手に他人の家に上がり込んだりして」
キョンシルは戸惑い気味に周囲を見回した。
