
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第4章 偽りの別れ
まだ割り切れない想いではあったが、トスが正直に応える気がないのは明らかだ。この男は見かけによらず(見かけどおりと言うべきか?)頑固なのだ。
「何もすることがないわね」
しばらくすると、キョンシルは手持ち無沙汰な時間に辟易してしまった。
トスはといえば、土間に寝っ転がり、片方の腕を枕にして船を漕いでいる。ここまで豪放磊落な男だとは思っていなかったので、キョンシルは流石に呆れ顔で眠る男を見つめた。
やがてキョンシルは立ち上がった。足音を忍ばせ、そうっと小屋を出てゆこうとしたその時、背後から鋭い声がかかった。
「どこに行く?」
「なあんだ、起きてたの。あんまり暇だから、ちょっと外でも散歩してこようと思って」
「駄目だ」
「何もすることがないわね」
しばらくすると、キョンシルは手持ち無沙汰な時間に辟易してしまった。
トスはといえば、土間に寝っ転がり、片方の腕を枕にして船を漕いでいる。ここまで豪放磊落な男だとは思っていなかったので、キョンシルは流石に呆れ顔で眠る男を見つめた。
やがてキョンシルは立ち上がった。足音を忍ばせ、そうっと小屋を出てゆこうとしたその時、背後から鋭い声がかかった。
「どこに行く?」
「なあんだ、起きてたの。あんまり暇だから、ちょっと外でも散歩してこようと思って」
「駄目だ」
