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　男の舌がキョンシルの口の中をさまようように這い回り、すくんでいた彼女の舌に絡みついてくる。
―気持ち悪い。
　男の唾液が流れ込んできて、溢れた唾液がキョンシルの口から滴り落ちている。嫌悪感にキョンシルの膚が粟立った。
　たとえトスを一途に恋い慕ってきていたのだとしても、こんなのは絶対に嫌だった。好きな男が相手でも、強引に手込めにされるのはいやだ。
　さんざん口の中を蹂躙した後、トスは荒い息を吐きながらキョンシルから離れた。やっと呼吸が思う存分できるようになり、キョンシルはかすかに喘ぎ、声を上げた。だが。
　彼女のあえかな声を聞いたトスの息が余計に荒くなったのに、キョンシルは気づかなかった。