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「トスおじさん、止めて」
　ありったけの力を出してトスを押しのけようとしても、トスの屈強な鍛え抜かれた身体はビクともしない。
「おじさん、お願いだから、止めて。私が悪かったから、謝るから、こんなこと止めて」
　溢れ出した涙が止まらず、キョンシルは涙に曇った瞳でトスを縋るように見上げた。
　しかし、キョンシルの涙も懇願も歯止めにはならなかった。キョンシルが哀願すればするほど、トスは凶暴になってゆくようだ。
　ピリッ。衣の裂ける嫌な音が響いた。
「いやーっ」
　キョンシルの涙混じりの声が小屋に響き渡った。彼女の抵抗に苛立ったトスが前の紐を解くのももどかしげにキョンシルのチョゴリを引き裂いたのだ。
「お母さん、お母さん。助けて」
　キョンシルは泣きながら叫び続けた。