
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第4章 偽りの別れ
「いや、良いんだ。キョンシルを怖がらせるようなことをしてしまったのは、他でもない俺自身だからな。だが、キョンシル、頼むから、もうそんなに怯えないでくれ。あんな真似は二度としない。本当に何もしないから、俺が近づいただけで猟師に捕らえられた獲物のように怯えるのだけは勘弁してくれないか」
「判った。私の方こそ、本当にごめんなさい」
キョンシルがぺこりと頭を下げると、トスが笑って頭をくしゃっと撫でた。
「さあ、この簪を挿してあげるから、じっとしていて。これを付けたところを俺に見せてくれ」
トスは存外に馴れた手つきで簪をキョンシルの髪に挿した。もしかしたら、いつもこうやってミヨンの髪に簪を挿していたのだろうか。
「判った。私の方こそ、本当にごめんなさい」
キョンシルがぺこりと頭を下げると、トスが笑って頭をくしゃっと撫でた。
「さあ、この簪を挿してあげるから、じっとしていて。これを付けたところを俺に見せてくれ」
トスは存外に馴れた手つきで簪をキョンシルの髪に挿した。もしかしたら、いつもこうやってミヨンの髪に簪を挿していたのだろうか。
