
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第4章 偽りの別れ
まだ十分若い癖に年寄りぶるトスは、得意げに語っている。年寄りどころか、その若々しい端正な面立ちをした青年は、まるで少年のように頬を紅潮させていた。
「でも、残念だわ。私が雪が好きなの。子どもの頃は積もった雪で遊ぶのが大好きだったんだけれど、降る雪を見るのも好きよ。しんしんと雪が降りしきる夜、蝋燭を持って外に出るの。すると、蝋燭の炎に照らされて、空から降ってくる雪が暗がりに浮かび上がるのよ。それがまた、とても綺麗なの。凄く幻想的でこの世のものではないみたいに」
「へえ、何だかおもしろそうだな」
トスも俄に興味を引かれたらしく、身を乗り出している。
「でも、残念だわ。私が雪が好きなの。子どもの頃は積もった雪で遊ぶのが大好きだったんだけれど、降る雪を見るのも好きよ。しんしんと雪が降りしきる夜、蝋燭を持って外に出るの。すると、蝋燭の炎に照らされて、空から降ってくる雪が暗がりに浮かび上がるのよ。それがまた、とても綺麗なの。凄く幻想的でこの世のものではないみたいに」
「へえ、何だかおもしろそうだな」
トスも俄に興味を引かれたらしく、身を乗り出している。
