
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第4章 偽りの別れ
トスは先刻からずっと眠る少女を見つめていた。キョンシルがやっと寝入ったのは、今から一刻ほど前のことだ。
表面だけは以前の屈託なさを取り戻しているかに見えたものの、その実、キョンシルが酷く怯えていることを、トスはしっかり見抜いていた。むろん、他でもない、この自分に対して怯えているのだ。
それも道理だ。今日の昼、彼はキョンシルに取り返しのつかないことをしてしまった。泣き叫ぶキョンシルを力でねじ伏せ、暗い情動のままに犯そうとしたのだから。
思い出せば思い出すほど、トスは自分のあまりの愚かさに腹が立った。込み上げてきた怒りにまかせて、両手で頭をかき回し、大きな息を吐きだした。
もう一度、キョンシルの寝顔を見る。
表面だけは以前の屈託なさを取り戻しているかに見えたものの、その実、キョンシルが酷く怯えていることを、トスはしっかり見抜いていた。むろん、他でもない、この自分に対して怯えているのだ。
それも道理だ。今日の昼、彼はキョンシルに取り返しのつかないことをしてしまった。泣き叫ぶキョンシルを力でねじ伏せ、暗い情動のままに犯そうとしたのだから。
思い出せば思い出すほど、トスは自分のあまりの愚かさに腹が立った。込み上げてきた怒りにまかせて、両手で頭をかき回し、大きな息を吐きだした。
もう一度、キョンシルの寝顔を見る。
