側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第4章 偽りの別れ
トスはもう一度溜息をつき、キョンシルを見た。彼女が両班の中でも最高の名門崔氏の娘であると知ったときから、これで良いのかと自問自答してきた。
キョンシルに共にゆこうと告げた時、トスはまだキョンシルの出生の秘密を知らなかった。その後、つまり昨夜、彼女自身の口からキョンシルが前礼曹判書崔イルチェの孫娘にして名門崔氏の直系の血を受け継ぐただ一人の娘と聞かされた。
キョンシルが崔氏に戻らなくても、傍系の誰かが本家に入って家門の存続は図れるだろう。しかし、キョンシルの父崔チソンは不遇の中に亡くなっている。若かりし日、酒場の女将の養女と恋仲になり、駆け落ちしてまで所帯を持った。
キョンシルに共にゆこうと告げた時、トスはまだキョンシルの出生の秘密を知らなかった。その後、つまり昨夜、彼女自身の口からキョンシルが前礼曹判書崔イルチェの孫娘にして名門崔氏の直系の血を受け継ぐただ一人の娘と聞かされた。
キョンシルが崔氏に戻らなくても、傍系の誰かが本家に入って家門の存続は図れるだろう。しかし、キョンシルの父崔チソンは不遇の中に亡くなっている。若かりし日、酒場の女将の養女と恋仲になり、駆け落ちしてまで所帯を持った。