側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第5章 対面
息子が死んでから、彼は使用人を町に行かせることもしなくなった。たとえ息子が愛した女と我が孫だとはいえ、彼には一欠片の情もなく、むしろ、可愛い息子を殺した憎い人間どもであった。宋ミヨンと赤児がどうなろうが、彼の知ったことではなかった。
あれから十五年が経った。その間、チソンの落としだねだと自称する薄汚い子どもを連れた女が屋敷を訪ねてきたことが何度かあった。逢うだけは逢ってやったが、どれも偽物ばかりだった。
が、今回は、ついに本物が来たようだ。翡翠の首飾りと息子の書いた書き付けまで持ち、更に〝宋ミヨン〟の名前まで出してきたからには間違いはなかった。いや、願わくば、あの無礼な娘が偽物であって欲しかった。
あれから十五年が経った。その間、チソンの落としだねだと自称する薄汚い子どもを連れた女が屋敷を訪ねてきたことが何度かあった。逢うだけは逢ってやったが、どれも偽物ばかりだった。
が、今回は、ついに本物が来たようだ。翡翠の首飾りと息子の書いた書き付けまで持ち、更に〝宋ミヨン〟の名前まで出してきたからには間違いはなかった。いや、願わくば、あの無礼な娘が偽物であって欲しかった。