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側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】

第6章 崔家での日々

 甘い夢を見させておいて、いきなり突き放して。毎夜、枕が濡れるのは何も朋輩たちの嫌がらせが辛くて泣くからではない。あんなものは無視すれば、所詮そこまでの話だ。だが、キョンシルにとっていちばん耐えられなかったのは、自分という存在がトスにとって厄介者でしかなかったという―その事実だけだった。

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