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側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】

第6章 崔家での日々

 ジュボクは少し口ごもり、珍しく口の中でもごもごと聞き取れないような小さな声で言った。
「それに、お前さえ良かったら、俺は通いにして貰っても良いんだよ。今は住み込みで働いてるけどさ、親父もお袋も歳だし、そろそろ一緒に暮らそうかなって」
「へえ。ジュボクって案外、親孝行なのね」
 キョンシルが感心した口調で言うのに、彼は焦れったそうに歯がみした。
「ああ、もう、相変わらず鈍いな。つまりだな、俺がお前に言いたいのは、俺と一緒に暮らさないかって、そういうことなんだよ。これでも、求婚してるんだ」
 そのときだった。紫の花を付けた皐月の茂みの向こうから、聞こえよがしの声が聞こえてきた。

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