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側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】

第2章 哀しみはある日、突然に

 キョンシルは心配して、何度か医者に診て貰った方が良いとしきりに勧めてみても、母は笑い飛ばすだけだ。
―お前のお父さんと結婚する前から、何が取り柄って、元気なのだけが取り柄だったんだ。なに、たいしたことはないさ。ほら、このとおり、若いお前よりも元気が有り余ってるだろう。
 キョンシルが仕立物を手伝った時、絹店に仕立物を納めにいった母が
―いつもより仕上がりが良いと言われて、多めにお金を頂いたよ。
 と、その上乗せしてくれた分をキョンシルにくれたことがあった。

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