
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第2章 哀しみはある日、突然に
「馬鹿なことを言うものではないよ。トスの女房になったって、私はずっとお前の母親だ。親子の絆はたとえこの世の終わりが来たって、けして切れるものじゃない」
ミヨンの声がいっそう優しさを帯びる。
「お母さん、大好きよ」
キョンシルの鼻腔に花のような、何ともいえないかぐわしい香りがひろがる。綺麗な女人というものは、その身体から漂う香りさえ自ずと花のように人を心地よくさせるものなのか。キョンシルは子どもの頃からそう思ってきた。
キョンシルはミヨンの背に再び貌を押し当て、子どもの頃から今も大好きな母の匂いを胸一杯嗅いだ。
ミヨンの声がいっそう優しさを帯びる。
「お母さん、大好きよ」
キョンシルの鼻腔に花のような、何ともいえないかぐわしい香りがひろがる。綺麗な女人というものは、その身体から漂う香りさえ自ずと花のように人を心地よくさせるものなのか。キョンシルは子どもの頃からそう思ってきた。
キョンシルはミヨンの背に再び貌を押し当て、子どもの頃から今も大好きな母の匂いを胸一杯嗅いだ。
