
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第6章 崔家での日々
祖父の父親としての心情は判らないでもないけれど、かといって、母をひたすら憎む祖父を認め、受け容れることはできない。むしろ、自分が憎まれるよりも、母が憎まれることの方がキョンシルは堪えた。
ああ、何て暑いのだろう。こんな外套など脱いでしまいたい。屋敷を出てからというもの、ずっと飲まず食わずで休まず歩き続けてきたため、キョンシルは疲弊し切っていた。
喉がとても渇いているし、おまけに意識もかすんで、気を緩めようものなら、その場に倒れ込んでしまいそうだ。
ここは目抜き通りではないとはいえ、道の両側には露店が並び、通行人がひっきりなしに行き交っている。こんな天下の往来で倒れたら、皆の迷惑になるではないか。
ああ、何て暑いのだろう。こんな外套など脱いでしまいたい。屋敷を出てからというもの、ずっと飲まず食わずで休まず歩き続けてきたため、キョンシルは疲弊し切っていた。
喉がとても渇いているし、おまけに意識もかすんで、気を緩めようものなら、その場に倒れ込んでしまいそうだ。
ここは目抜き通りではないとはいえ、道の両側には露店が並び、通行人がひっきりなしに行き交っている。こんな天下の往来で倒れたら、皆の迷惑になるではないか。
