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側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】

第7章 未来を照らす一番星

 キョンシルは眼を瞑った。十六年前の悲劇は、誰にもどうしようもないことだった。仮にイルチェがチソンの言い分に耳を傾けていたところで、酒場の女将の娘であるミヨンを正式な室として迎えることは不可能であったろう。
 さりとて、側室という立場では、ミヨンはともかくチソンが納得はしなかったはずだ。
 チソンがミヨンと出逢い恋に落ちたその瞬間から、悲劇は既に始まっており、避けようのない宿命だったのだともいえる。
 しかしながら、イルチェは息子に対してあまりにも頑なすぎたと過去を悔い、こうしてチソンとミヨンの娘であるキョンシルに頭を下げているのだ。

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