側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第7章 未来を照らす一番星
それに、と、キョンシルは傍らのトスを見上げた。
「私の居場所は決まっています」
そう、この男の傍こそが私のいるべき場所。たとえトスに告げられなくても、彼が受け容れてくれなかったとしても、私は一生、この愛を胸に抱いて生きてゆく。
イルチェがキョンシルを、ついでトスを見た。崔イルチェは愚かな老人ではない。かつては重臣たちのひしめく朝廷で幾多の政変をかいくぐって生き残り、国王(チユサン)殿下(チヨナー)の信頼も殊の外厚かった大物政治家である。
キョンシルのひと言だけで、イルチェはもうおおよその事情を察したようであった。
「私の居場所は決まっています」
そう、この男の傍こそが私のいるべき場所。たとえトスに告げられなくても、彼が受け容れてくれなかったとしても、私は一生、この愛を胸に抱いて生きてゆく。
イルチェがキョンシルを、ついでトスを見た。崔イルチェは愚かな老人ではない。かつては重臣たちのひしめく朝廷で幾多の政変をかいくぐって生き残り、国王(チユサン)殿下(チヨナー)の信頼も殊の外厚かった大物政治家である。
キョンシルのひと言だけで、イルチェはもうおおよその事情を察したようであった。