側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第7章 未来を照らす一番星
トスは事情をかいつまんで話してくれた。彼は最初、崔家を訪ねていったらしい。キョンシルを屋敷に連れていったものの、心配でならず、結局、都を離れられなくて様子を見に行ったのだ。うまくやっていれば、そのままひっそりと帰るつもりであった。
が、屋敷内はキョンシルが姿を消して大騒動になっており、イルチェの命で崔家の使用人たちが総動員されて都中を探していた。
トスはトスでキョンシルを探し回っている最中のこと、通行人から有益な情報を耳にした。
「キョンシルらしい娘が月琴楼に運び込まれたって聞いて、居ても立ってもいられず月琴楼に駆けつけたんだ。その前に通りすがりの子どもにイルチェさま宛の書状を届けてくれるように頼んだ。本当は自分で知らせにいきたかったんだが、そなたが連れてゆかれた先が妓房だと聞いて、嫌な胸騒ぎがしたんでな」
が、屋敷内はキョンシルが姿を消して大騒動になっており、イルチェの命で崔家の使用人たちが総動員されて都中を探していた。
トスはトスでキョンシルを探し回っている最中のこと、通行人から有益な情報を耳にした。
「キョンシルらしい娘が月琴楼に運び込まれたって聞いて、居ても立ってもいられず月琴楼に駆けつけたんだ。その前に通りすがりの子どもにイルチェさま宛の書状を届けてくれるように頼んだ。本当は自分で知らせにいきたかったんだが、そなたが連れてゆかれた先が妓房だと聞いて、嫌な胸騒ぎがしたんでな」