側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第7章 未来を照らす一番星
また、その娘を抱いていったのが無類の女好きで有名な悪徳商人李ダルチョンだと聞き、彼の不安はますます大きくなったという。
「ありがと、トスおじさん」
キョンシルはトスの腕にぶら下がるようにして、その整った顔を見上げた。視線と視線が至近距離でぶつかり合い、途端にトスの眦に朱が散る。
「な、何だ。急に子どもみたいに」
照れくささをごまかすためなのか、トスは慌ててあらぬ方を向いた。
「トスおじさんのお陰で、お祖父さまと仲直りができたのよ。きっと、極楽浄土にいるお父さんもお母さんも歓んでいると思うの」
「―そうだと良いな」
トスが少しだけぶっきらぼうに言う。
「ありがと、トスおじさん」
キョンシルはトスの腕にぶら下がるようにして、その整った顔を見上げた。視線と視線が至近距離でぶつかり合い、途端にトスの眦に朱が散る。
「な、何だ。急に子どもみたいに」
照れくささをごまかすためなのか、トスは慌ててあらぬ方を向いた。
「トスおじさんのお陰で、お祖父さまと仲直りができたのよ。きっと、極楽浄土にいるお父さんもお母さんも歓んでいると思うの」
「―そうだと良いな」
トスが少しだけぶっきらぼうに言う。