側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第7章 未来を照らす一番星
人の一生に出逢いと別れはつきものだ。出逢いと違って別れは淋しく、その人が自分にとって大切であればあるほど耐え難いものだ。だが、その哀しみと心の痛手を乗り越えなければ、前には進めない。もし、トスが母の死をまさに乗り越えようとしているのならば、それはトスにとっては望ましいことだ。
その気持ちはトスを恋い慕う女としてではなく、彼の幸せを願う一人の人間としての素直な気持ちだ。
「ね、これから、どこに行くの?」
キョンシルが訊ねると、トスが首をひねった。
「さあてと、どこに行くかな。気の向くままに、ここじゃないどこかなら、どこでも良いんじゃないか」
「ひどい、崔家で行儀よくやれたら、次はトスおじさんの故郷に連れて行ってくれるって約束したじゃない」
その気持ちはトスを恋い慕う女としてではなく、彼の幸せを願う一人の人間としての素直な気持ちだ。
「ね、これから、どこに行くの?」
キョンシルが訊ねると、トスが首をひねった。
「さあてと、どこに行くかな。気の向くままに、ここじゃないどこかなら、どこでも良いんじゃないか」
「ひどい、崔家で行儀よくやれたら、次はトスおじさんの故郷に連れて行ってくれるって約束したじゃない」