側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第7章 未来を照らす一番星
それに、キョンシルは知っている。トスは約束を守る男だ。半月前だって、ひとたびはキョンシルを崔家に置き去りにしたかに見えたけれど、トウモロコシ畑の小屋で交わした〝ずっと一緒にいる〟という約束どおり迎えにきてくれた。
暦が明日から五月に変わろうとする都漢陽の空が暮れなずんでいる。薄紫と蜜柑色の溶け合った夕刻の空はずっと眺めていたいと思うほど綺麗だ。
キョンシルは、この日の空をずっと忘れることはないだろう。キョンシルとトスの頭上でその日生まれたばかりの一番星がまたたき始めた。
(第一話 宵桜 おわり
明日から第二話へ)
暦が明日から五月に変わろうとする都漢陽の空が暮れなずんでいる。薄紫と蜜柑色の溶け合った夕刻の空はずっと眺めていたいと思うほど綺麗だ。
キョンシルは、この日の空をずっと忘れることはないだろう。キョンシルとトスの頭上でその日生まれたばかりの一番星がまたたき始めた。
(第一話 宵桜 おわり
明日から第二話へ)