
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第8章 第二話 【はまゆうの咲く町から】 海の町から
「トスおじさん?」
キョンシルの少し怯えたような反応に、トスはわずかに眼をまたたかせた。
「―どうかしたか?」
「何だか、難しい貌で考え込んでいるような感じだったから」
「そう、か?」
トスはいかにも心外だと言わんばかりの表情を返してくる。
「ううん、やっぱり、私の気のせいかもしれない」
キョンシルはそれ以上の追及はせず、素直に頷いた。
「おじさんも長旅で疲れてるんだもの、明るく話をする気にもなれないのは当然よね?」
キョンシルの少し怯えたような反応に、トスはわずかに眼をまたたかせた。
「―どうかしたか?」
「何だか、難しい貌で考え込んでいるような感じだったから」
「そう、か?」
トスはいかにも心外だと言わんばかりの表情を返してくる。
「ううん、やっぱり、私の気のせいかもしれない」
キョンシルはそれ以上の追及はせず、素直に頷いた。
「おじさんも長旅で疲れてるんだもの、明るく話をする気にもなれないのは当然よね?」
