
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第8章 第二話 【はまゆうの咲く町から】 海の町から
二人がこれから向かうのは、トスの知り合いが住職を務めているという寺であった。ほどなく壮大な建物が視界一杯に見えてくる。
宏壮といっても、都の名だたる大寺のような規模ではなく、それよりは一回り小さい。緑や朱の極彩色を基調とした伽藍がいかにも寺という雰囲気を醸し出し、壮麗さの中にも歴史の重みと信仰の厳粛さが見事に調和している。
一歩脚を踏み入れただけで、そこが特別な場所なのだとごく自然に教えられるような、身が引き締まるような気持ちになった。
扁額の掲げられた立派な山門をくぐると、広い境内には様々な建物が点在している。中でもひときわ眼を引く偉容を誇るのが本堂である―というのは、仏教についての知識には疎いキョンシルにもすぐ判った。
宏壮といっても、都の名だたる大寺のような規模ではなく、それよりは一回り小さい。緑や朱の極彩色を基調とした伽藍がいかにも寺という雰囲気を醸し出し、壮麗さの中にも歴史の重みと信仰の厳粛さが見事に調和している。
一歩脚を踏み入れただけで、そこが特別な場所なのだとごく自然に教えられるような、身が引き締まるような気持ちになった。
扁額の掲げられた立派な山門をくぐると、広い境内には様々な建物が点在している。中でもひときわ眼を引く偉容を誇るのが本堂である―というのは、仏教についての知識には疎いキョンシルにもすぐ判った。
