
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第2章 哀しみはある日、突然に
「キョンシル。良い加減にしないか。ソンニョと俺はまだ結婚したわけではない」
「はいはい、判りました。大人をからかったりして、ごめんなさい」
キョンシルは笑いながら、再び扉を閉めて、隣の部屋に引っ込んだ。
ミヨンとキョンシルの暮らす家は、全部でふた間しかない。正確にいえば、これに煮炊きのできる小さな厨房がいている。少し広めの居間が食堂にもなり寝室にもなり、納戸くらいしか使い道のなさそうな小部屋、これは今は空き部屋になっている。予定では、トスとミヨンが結婚後、ここがキョンシルの部屋になるはずだが、既に家を出ることを決意しているキョンシルが使うことはないだろう。
今、ミヨンとキョンシルはこの部屋に引きこもっている真っ最中なのだ。
「はいはい、判りました。大人をからかったりして、ごめんなさい」
キョンシルは笑いながら、再び扉を閉めて、隣の部屋に引っ込んだ。
ミヨンとキョンシルの暮らす家は、全部でふた間しかない。正確にいえば、これに煮炊きのできる小さな厨房がいている。少し広めの居間が食堂にもなり寝室にもなり、納戸くらいしか使い道のなさそうな小部屋、これは今は空き部屋になっている。予定では、トスとミヨンが結婚後、ここがキョンシルの部屋になるはずだが、既に家を出ることを決意しているキョンシルが使うことはないだろう。
今、ミヨンとキョンシルはこの部屋に引きこもっている真っ最中なのだ。
