側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第9章 第二話 【はまゆうの咲く町から】 李家の御曹司
  李家の御曹司
目抜き通りの賑わいは流石だった。都の大路の賑わいを彷彿とさせるとまではゆかないけれど、それでも、この町が中堅どころの地方都市であることを証明するかのように、道には大勢の人がひっきりなにしに行き交っている。
道の両脇には通行を妨げない程度に露店が軒を連ね店をひろげている。蒸かしたての肉饅頭の匂いや揚げたばかりの点心(菓子)、更には生きた鶏や兎、豚を売る店まで実に様々で、界隈は料理と人いきれの混じった独特の臭気に満ちていた。
かと思えば、眼にも鮮やかな絹布を山積みにして女たちの関心を引いている店もあれば、若い娘たちが店先にたむろっている手頃な値段の装身具を扱う小間物屋まである。
目抜き通りの賑わいは流石だった。都の大路の賑わいを彷彿とさせるとまではゆかないけれど、それでも、この町が中堅どころの地方都市であることを証明するかのように、道には大勢の人がひっきりなにしに行き交っている。
道の両脇には通行を妨げない程度に露店が軒を連ね店をひろげている。蒸かしたての肉饅頭の匂いや揚げたばかりの点心(菓子)、更には生きた鶏や兎、豚を売る店まで実に様々で、界隈は料理と人いきれの混じった独特の臭気に満ちていた。
かと思えば、眼にも鮮やかな絹布を山積みにして女たちの関心を引いている店もあれば、若い娘たちが店先にたむろっている手頃な値段の装身具を扱う小間物屋まである。
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