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「あいつは光王(カンワン)といって、ここいらでは名うての女タラシだから、そなたも用心した方が良い。あいつのことは幼い時分から知っているが、親なしっ子の本当にどうしようもない奴さ。似たような身寄りのない薄汚れた子どもを集めて、何が面白いのか面倒見てる。昔は、かっぱらいや掏摸までやってたんだ。そなたは光王好みの美形ゆえ、眼をつけられると、後々、厄介だぞ？　何しろ、あいつはしつこいから―」
「大丈夫です」
　キョンシルは遮るように大きな声で言った。
「私にはちゃんと心に決めた男がいます。別にあの小間物屋さんを見ていたわけでもありませんし」
　〝大きなお世話〟と言い返してやりたい衝動を抑えた。