
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第2章 哀しみはある日、突然に
朝に見た母も美しかったけれど、今の美しさといえば、どうだろう! 我が母ながら、その息を呑まんばかりの美貌に、キョンシルは圧倒されそうだ。
花嫁自身がおよそひと月かけた縫い上げた花嫁衣装は、虹色の絹地を使っている。これはミヨンが仕立物を納めている絹店の主人からの結婚祝いとして贈られた。
この主人は商いにかけては冷徹なところがある一面、情理も備えた話のわかる人物であった。その夫人からは蒔絵の箱に詰まった小粒の真珠が祝儀として出され、好きなように使うとようにと言われた。
ミヨンとキョンシルは相談し合った末、その真珠を虹色の絹布に縫い込むことにした。衣装を仕立てたのは母自身であるが、その真珠を縫い付けたのはキョンシルである。キョンシルは真珠をひと粒ひと粒丹念に縫い付けながら、母の永の幸せを心から祈ったのだ。
花嫁自身がおよそひと月かけた縫い上げた花嫁衣装は、虹色の絹地を使っている。これはミヨンが仕立物を納めている絹店の主人からの結婚祝いとして贈られた。
この主人は商いにかけては冷徹なところがある一面、情理も備えた話のわかる人物であった。その夫人からは蒔絵の箱に詰まった小粒の真珠が祝儀として出され、好きなように使うとようにと言われた。
ミヨンとキョンシルは相談し合った末、その真珠を虹色の絹布に縫い込むことにした。衣装を仕立てたのは母自身であるが、その真珠を縫い付けたのはキョンシルである。キョンシルは真珠をひと粒ひと粒丹念に縫い付けながら、母の永の幸せを心から祈ったのだ。
