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側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】

第2章 哀しみはある日、突然に

 元々、布地自体がきらきらと七色に光を放つのに加えて、真珠を布地に散りばめたので、まるでミヨンが光を纏っているように光り輝いて見える。少し身体を動かす度に、衣装がきらきらと燦めき、眩しいほどであった。
 ミヨンの美しさが眩しいほどなのは、何も煌めく衣装のせいだけではない。彼女の存在そのものが光り輝いている。内から滲み出る歓びが生来の美貌を際立たせているのだ。 
 首には余った真珠を連ねて作った首飾りが控えめに填っている。結い上げた黒髪にも真珠が散りばめられていて、まさに本物の仙女もかくやと偲ばれるほどの神々しさである。
「ね、素敵でしょ」
 キョンシルが念押しし、ミヨンがトスに微笑みかけ、手を伸ばそうとした。

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