側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第10章 第二話 【はまなすの咲く町から】 恋の病
「フム、何だ。言ってみなさい」
「実は―」
乳母はソンジュンに一礼して近づくと、殆ど周囲には聞き取れない声で何やら耳打ちした。
「ホホウ、それはそれは」
乳母から一部始終を聞き終えたソンジュンは、深く頷いた。
「それで、その娘は今、海辺の寺の慈心和尚の許に身を寄せているというのだな?」
確認するように問われ、乳母は畏まって頭を下げる。
「さようでございます、旦那(ナー)さま(リ)」
「オクチョン、言うまでもないことだが、ユチョンにはそのことを誰にも話さぬように固く戒めておくように」
「実は―」
乳母はソンジュンに一礼して近づくと、殆ど周囲には聞き取れない声で何やら耳打ちした。
「ホホウ、それはそれは」
乳母から一部始終を聞き終えたソンジュンは、深く頷いた。
「それで、その娘は今、海辺の寺の慈心和尚の許に身を寄せているというのだな?」
確認するように問われ、乳母は畏まって頭を下げる。
「さようでございます、旦那(ナー)さま(リ)」
「オクチョン、言うまでもないことだが、ユチョンにはそのことを誰にも話さぬように固く戒めておくように」