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側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】

第2章 哀しみはある日、突然に

 かなり苦労してミヨンが取り出したのは、首飾りだった。淡い緑色の石を連ねた首飾りは、キョンシルが見ても相当の値が付くものだと知れた。
「翡翠の首飾り―」
 ミヨンが頷いた。
「これは、お前の出生を証明してくれるただ一つの証の品だから。大切にして。絶対になくしたりしてはいけないよ」
「お母さん、私の出生って」

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