
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第2章 哀しみはある日、突然に
「お母さん!!」
キョンシルが絶叫した。ミヨンの差しのべようとした手が力を失い、ぱたりと落ちた。
「あ―」
キョンシルは嫌々をするようにかぶりを振った。
「お母さ―ん?」
キョンシルがミヨンの貌を覗き込む。
「いやよ、いや。私を一人残してなんて、そんな哀しいことを言わないで。お母さんがいなくなってしまったら、私は誰を支えに生きていったら良いの? ねえ、お母さん! お願いだから、もう一度眼を開けて、キョンシルっていつものように呼んでよ」
キョンシルが絶叫した。ミヨンの差しのべようとした手が力を失い、ぱたりと落ちた。
「あ―」
キョンシルは嫌々をするようにかぶりを振った。
「お母さ―ん?」
キョンシルがミヨンの貌を覗き込む。
「いやよ、いや。私を一人残してなんて、そんな哀しいことを言わないで。お母さんがいなくなってしまったら、私は誰を支えに生きていったら良いの? ねえ、お母さん! お願いだから、もう一度眼を開けて、キョンシルっていつものように呼んでよ」
