側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第12章 第二話 【はまなすの咲く町から】 心のありか
「あんたは確か―」
「キョンシルといいます」
「いつか町で行き倒れた若さまを助けてくれた人だね」
ユチョンはキョンシルを見て、何故か紅くなっている。
「あんたのお陰で、あのときは助かったよ。何しろ若さまは李家の大切な跡取りだからね。俺が付き添ってる最中にもしものことがあったら、俺もただじゃすまねえもの」
「たいしたことがなくて何よりでした」
キョンシルが微笑むと、ユチョンはますます紅くなった。
「それで、今日は何の用なのかい? もしかして俺に何か?」
キョンシルは笑って首を振った。
「若さまとお話がしたくて来たんです。ほんの少しの時間で良いんですけど」
「キョンシルといいます」
「いつか町で行き倒れた若さまを助けてくれた人だね」
ユチョンはキョンシルを見て、何故か紅くなっている。
「あんたのお陰で、あのときは助かったよ。何しろ若さまは李家の大切な跡取りだからね。俺が付き添ってる最中にもしものことがあったら、俺もただじゃすまねえもの」
「たいしたことがなくて何よりでした」
キョンシルが微笑むと、ユチョンはますます紅くなった。
「それで、今日は何の用なのかい? もしかして俺に何か?」
キョンシルは笑って首を振った。
「若さまとお話がしたくて来たんです。ほんの少しの時間で良いんですけど」