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側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】

第1章 第一話 【宵桜】 始まりの夜

 凜と咲き誇る桜は、真っすぐにキョンシルを見つめている。それがあたかもひた隠そうとしている邪(よこしま)な想いを暴き立てられているように思えて、彼女は思わず顔を背けた。
 未練を振り切るように、キョンシルは桜に背を向けた。

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