側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第13章 第三話 【むせび泣く月】 出逢いはある日、突然に
ミヨンの死後、トスはキョンシルを義理の娘として引き取り、面倒を見ると言った。それが、いつしか二人は慕い合うようになってしまったのだ。
都を離れ、トスの故郷で二ヶ月を過ごした二人は、再び長い旅を経て都に帰還した。海辺の町では、トスが思いがけず両班(ヤンバン)家の息子であり、彼が若い頃に幼なじみの女性をを助けようとして、やはり同じく幼なじみであった親友を誤って殺してしまったという哀しい過去も判明した。
その重い過去のために、トスは長らく自分を責め続け木彫りの仏像を造り続けてきたのである。トスが助けようとしなければ、その女性は手込めにされていたはずだ。誇り高い両班家の令嬢なら、辱められて生き長らえるはずがない。結果として、トスは女性の生命を救ったはずだ。
都を離れ、トスの故郷で二ヶ月を過ごした二人は、再び長い旅を経て都に帰還した。海辺の町では、トスが思いがけず両班(ヤンバン)家の息子であり、彼が若い頃に幼なじみの女性をを助けようとして、やはり同じく幼なじみであった親友を誤って殺してしまったという哀しい過去も判明した。
その重い過去のために、トスは長らく自分を責め続け木彫りの仏像を造り続けてきたのである。トスが助けようとしなければ、その女性は手込めにされていたはずだ。誇り高い両班家の令嬢なら、辱められて生き長らえるはずがない。結果として、トスは女性の生命を救ったはずだ。