側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第2章 哀しみはある日、突然に
「評判が良いと聞いたゆえ、わざわざ連れてきたのに」
どうやら、トスは怒っているようである。
「仕方ないわ、トスさん」
キョンシルは消え入るような声音で言った。
「もう手遅れだったんだもの。あのお医者さまの言うとおり、私がもっと早くに気づいていれば、こんな最悪の事態は避けられたわ。お母さんの病気に気づいてあげられなかった私がいちばん悪いの。だから、先生を悪く言わないで」
トスが唸った。
「俺が怒っているのは、ソンニョのことではない。あの医者はソンニョが死んだのがまるでキョンシルのせいのように言った。それが腹立たしくてならないのだ」
どうやら、トスは怒っているようである。
「仕方ないわ、トスさん」
キョンシルは消え入るような声音で言った。
「もう手遅れだったんだもの。あのお医者さまの言うとおり、私がもっと早くに気づいていれば、こんな最悪の事態は避けられたわ。お母さんの病気に気づいてあげられなかった私がいちばん悪いの。だから、先生を悪く言わないで」
トスが唸った。
「俺が怒っているのは、ソンニョのことではない。あの医者はソンニョが死んだのがまるでキョンシルのせいのように言った。それが腹立たしくてならないのだ」