
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第13章 第三話 【むせび泣く月】 出逢いはある日、突然に
「そなたは私の母に似ている」
「ソンのお母様に? 私が?」
意外な言葉にキョンシルは眼を瞠った。
ソンが幾度も頷く。
「儚げな美しさを持ちながら、内に凜とした強さを秘めた女(ひと)だったよ。まるで強い風雨に打たれても打たれても、けして折れない撫子のような」
「撫子―、きっと、とても美しいお方なのでしょうね」
「うん、でも、美しかったと言うべきなのだろうな」
その口調に滲んだ一抹の淋しさをキョンシルは瞬時に感じ取った。
「もしかして、ソンのお母様は亡くなられたの?」
「ああ」
「ソンのお母様に? 私が?」
意外な言葉にキョンシルは眼を瞠った。
ソンが幾度も頷く。
「儚げな美しさを持ちながら、内に凜とした強さを秘めた女(ひと)だったよ。まるで強い風雨に打たれても打たれても、けして折れない撫子のような」
「撫子―、きっと、とても美しいお方なのでしょうね」
「うん、でも、美しかったと言うべきなのだろうな」
その口調に滲んだ一抹の淋しさをキョンシルは瞬時に感じ取った。
「もしかして、ソンのお母様は亡くなられたの?」
「ああ」
