
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第13章 第三話 【むせび泣く月】 出逢いはある日、突然に
「トスおじさんも私を好きだと言ってくれているわ」
「そうなのか。であれば、何の問題もないな」
何故かソンの口調は自分に言い聞かせるようなものだった。キョンシルは小さくかぶりを振り、うつむく。
「先刻、うなされていた夢には、お母さんが出てきたわ。私、久しぶりにお母さんに逢えて、嬉しくて。走って側に行こうとしたの。でも、お母さんは哀しそうに言った。私がお母さんからトスおじさんを奪ったって。お母さんが重い病だと知っていて、トスおじさんを奪うために、お母さんを見殺しにしたって、物凄く怒ってた」
「そうなのか。であれば、何の問題もないな」
何故かソンの口調は自分に言い聞かせるようなものだった。キョンシルは小さくかぶりを振り、うつむく。
「先刻、うなされていた夢には、お母さんが出てきたわ。私、久しぶりにお母さんに逢えて、嬉しくて。走って側に行こうとしたの。でも、お母さんは哀しそうに言った。私がお母さんからトスおじさんを奪ったって。お母さんが重い病だと知っていて、トスおじさんを奪うために、お母さんを見殺しにしたって、物凄く怒ってた」
