側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第14章 第三話 【むせび泣く月】 意外な事実
意外な事実
数日を経た。ある日突如として居候となったソンは、そのまま家に居着くことになった。やって来た翌日までは〝帰る〟と言っていた彼が何故、前言を翻したのかは知れない。それに、キョンシルの見るところ、どうもソンは家出をしてきたらしい節が窺えた。初めて町中で出逢った日、〝爺やに一人で町に出ることを止められている〟と洩らしていたが、どうやら、単なるお忍びの外出ではなく、覚悟の家出らしいのだ。
キョンシルがここを出て行き先はあるのかと問い詰めたところ、最初は渋っていたものの、ついには不承不承〝ない〟と応えたのが何よりの証であった。
数日を経た。ある日突如として居候となったソンは、そのまま家に居着くことになった。やって来た翌日までは〝帰る〟と言っていた彼が何故、前言を翻したのかは知れない。それに、キョンシルの見るところ、どうもソンは家出をしてきたらしい節が窺えた。初めて町中で出逢った日、〝爺やに一人で町に出ることを止められている〟と洩らしていたが、どうやら、単なるお忍びの外出ではなく、覚悟の家出らしいのだ。
キョンシルがここを出て行き先はあるのかと問い詰めたところ、最初は渋っていたものの、ついには不承不承〝ない〟と応えたのが何よりの証であった。