側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第14章 第三話 【むせび泣く月】 意外な事実
「ソン、さっき、代書屋のおじさんに貰った本のことだけど」
「ああ、あれね。〝中道孝譜〟という清国の本だよ」
「中道孝譜? 何だか物凄く難しそうな題名ね」
「確かに聞いただけで鳥肌が立ちそうだけど、内容は意外に読みやすくて面白いんだ。解り易くいえば、物事は皆、おしなべてほどほどが良い、極端すぎるのは偏りの元になってよろしくない、まあ、そんなところかな。後は、孝行をするのが人としての行いの最も尊ぶべき基本だというようなことが書いてあるんだ」
「ソンは頭が良いのね。滅多に他人(ひと)を褒めない代書屋のおじさんが褒めてたもの」
「そんなたいしたものではないよ」
ソンは面映ゆそうに笑った。
「ああ、あれね。〝中道孝譜〟という清国の本だよ」
「中道孝譜? 何だか物凄く難しそうな題名ね」
「確かに聞いただけで鳥肌が立ちそうだけど、内容は意外に読みやすくて面白いんだ。解り易くいえば、物事は皆、おしなべてほどほどが良い、極端すぎるのは偏りの元になってよろしくない、まあ、そんなところかな。後は、孝行をするのが人としての行いの最も尊ぶべき基本だというようなことが書いてあるんだ」
「ソンは頭が良いのね。滅多に他人(ひと)を褒めない代書屋のおじさんが褒めてたもの」
「そんなたいしたものではないよ」
ソンは面映ゆそうに笑った。