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側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】

第14章 第三話 【むせび泣く月】 意外な事実

 代書屋の仕事は何も代筆だけではない。流通している書籍を書き写し、写本として売る本屋の役目も兼ねている。
「原書というのは、清国の言葉で書いてあるの?」
「まあ、そういうことになるね」
「凄いわ。私なんて、ハングルが並んでたって、頭が痛くなるのに。清国語まで理解できるなんて」
「物心ついたときから学んでいれば、誰だって読めるようになる。私が読めるのだって、別に不思議はないよ」
「やっぱり、清国の文化は進んでいるものね」
「そうかな」

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