
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第15章 王宮という名の伏魔殿
それが湯殿だと判ったのは、数人の女官たちによって手早く衣服を脱がされた後で、今は大きな湯船に浸かっているという有様である。これも眼にしたことのない大きくて立派な浴槽に満々と清潔な湯が湛えられ、無数の緋(ひ)薔薇(そうび)の花びらが湯面に浮いている。
もちろん、すぐ傍らには二人の女官が恭しく控えている。他人に裸体を晒すなんて、まさに生まれて初めての経験だ。キョンシルが湯船から出ると、女官たちがさっと近寄り、二人かがりで丹念に身体を洗い上げた。更に湯上がりには滴ひとつ残さず身体を拭かれ、仕上げには濃厚な花の香りの香油をこれでもかというほど丹念に身体中に塗り込まれる。
もちろん、すぐ傍らには二人の女官が恭しく控えている。他人に裸体を晒すなんて、まさに生まれて初めての経験だ。キョンシルが湯船から出ると、女官たちがさっと近寄り、二人かがりで丹念に身体を洗い上げた。更に湯上がりには滴ひとつ残さず身体を拭かれ、仕上げには濃厚な花の香りの香油をこれでもかというほど丹念に身体中に塗り込まれる。
