
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第15章 王宮という名の伏魔殿
「そんなのって、酷いわ」
涙が目尻に滲み、ソンの整った面がぼやけた。
「ソン、私にだって気持ちがあるのよ。好きな男(ひと)とならともかく、こんな風に無理に連れてこられて、突然、夜伽をしろと言われても、できない」
ソンが軽い息を吐いた。
「判ってるよ、キョンシル。私だって、何も今夜、そなたに無理強いしようなんて考えてはいなから。安心して」
その言葉にわずかだが、キョンシルの身体の強ばりが解けた。そうだ、ソンは優しいし、分別のある男だ。彼が幾ら何でもキョンシルを強引に抱こうとするはずがない。
涙が目尻に滲み、ソンの整った面がぼやけた。
「ソン、私にだって気持ちがあるのよ。好きな男(ひと)とならともかく、こんな風に無理に連れてこられて、突然、夜伽をしろと言われても、できない」
ソンが軽い息を吐いた。
「判ってるよ、キョンシル。私だって、何も今夜、そなたに無理強いしようなんて考えてはいなから。安心して」
その言葉にわずかだが、キョンシルの身体の強ばりが解けた。そうだ、ソンは優しいし、分別のある男だ。彼が幾ら何でもキョンシルを強引に抱こうとするはずがない。
