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「ソンと最初に出逢っていたら、もしかしたら、あなたを好きになっていたかもしれない」
「―そうなんだ」
　ソンは頷き、キョンシルを強い瞳で見つめる。これまでになく烈しいまなざしに射貫かれ、キョンシルは居たたまれなくなった。
「なら、私にも好きになって貰える機会はあるってこと？」
「それは―言いにくいけれど、多分、無理だわ」
　キョンシルは自分が悪くないのに、罪悪感を憶えた。そのときのソンの表情はひどく傷ついたように見えたからだ。
　次の瞬間、ソンが低い声を立てて笑った。
「冗談だよ、冗談。最初に言っただろう？　無理にそなたを抱くつもりはない」
「ありがとう」